2012.04.27 Friday
テマヒマ展〈東北の食と住〉を見て
昨年、東日本大震災後の7月に開催された「東北の底力、心と光。『衣』、三宅一生。」につづく、東北の「食と住」にスポットを当てた展覧会が4月27日から(〜8/26)21_21 DESIGN SIGHTで開催されている。テマヒマ展〈東北の食と住〉と題され、会場には食に関連したものを中心に特産物やそれをつくるための道具や食器などが美しくレイアウトされて、展示されていた。ものにはストーリーがあり、それがデザインにとっての付加価値になっている。今回の映像作品(7作品、各3〜5分)はどれも素晴らしく、マタタビ細工(籠編み)、笹巻、りんご箱、きりたんぽ、会津木綿(染色、織り)、油麩、りんご剪定鋏、とそれぞれがどのようにつくられているかがわかるもので、職人の手も最初と最後にクローズアップされていた。大飢饉を何度も乗り越えてきた東北の人たちのものづくりは、経済に直接というよりも、自分たちが生きいくためのものだと、ディレクターの一人である佐藤卓さんが語っていた。もう一人のディレクターである深澤直人さんは、道具に関していえば、それぞれのものは生活の中から生まれてきた必然のかたちだと。日本で、デザインという言葉がまだ一般に使われていなかった(工芸のなかにデザインが含まれていた)時代、そんな時代に戻ったような、ものづくりの原点を垣間見たような気がした。今回の21_21での展示は、「生きる(冬を越す)ためのデザイン」であり、7編の映像作品は上質な短編映画のようでもあり、東北という環境の中で生きる意味も伝えている。展示されている保存食や道具はどれも美しく、いい表情をしていたが、映像の中で手間暇惜しまず、ものづくりをしている職人たちも(それらのものに負けないくらい)いい表情をしていた。
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